30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory

ファイナンシャルプランナーで一級建築士であるお金と住宅の専門家が、30代に向けてお金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。

台形など変形地を購入して住宅を建てるときにメリットを受ける方法を土地の形状別に解説

三角形や台形など整形ではない土地(変形地)は、安く手に入る反面制約も多く、どんな住宅が建つのか不安で購入を躊躇されたり、避けている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、変形地の成約は設計次第で克服できることが多く、整形の土地が持たないメリットを多く持っていることもあります。

この記事では、変形地を賢く活用する方法と、検討するべきポイントについて一級建築士の目線で解説しています。

変形地とは何か

変形地といっても様々な形があります。道路に二方向を囲まれた三角形や台形の土地や、路地状の土地で道路に接する旗竿地(他の記事で詳細は書きました)もあります。

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このような土地は、もともと変形な区画であったケースもありますが、例えば新しく道路を敷設したために、結果として三角形が残ったなどのケースもあります。

変形地のデメリットは何か、考えていきます。

デメリット① 建物を計画しにくい

例えば三角形の土地に、四角形の建物を建てようとすると、建物の廻りには三角形の土地が余ることになります。

三角形の余分な土地を使おうとしても、自転車が置きにくかったり、屋外物置を置こうとしても寸法が足りないなど、やはり使いにくくなってしまします。

このように、三角形の土地に四角形の建物、という組み合わせは、無駄なスペースを生むことになり、あまり良い計画とは言えません。

デメリット② 整形地よりも土地の広さが必要なことがある

三角形などの変形地では、どうしても三角の角部分の土地を完全に使い切ることは出来ません

建物を建てられる範囲が整形地に比べると限られるため、例えば延床30坪の建物を建てたい場合に、整形地ならば30坪の土地で十分に建てられるが、変形地だと35坪の土地でないとうまく建たない、という可能性もあります。

これは、詳細な間取りの検討をしてみないと分かりませんが、購入前にどの程度の建物が建つか、整形地よりもより慎重に検討しないと、購入後に希望していた大きさが建てられなかったということになりかねません。

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メリット① 変形地に変形な建物を建てる

変形地にはデメリットがありますが、それを建物の計画でクリアー出来れば、整形地にはないメリットもあります。

まず建物の計画では、土地の形にそった建物の外形にする、という方法があります。

これはハウスメーカーなど間取りのモジュールが規格で固定されている住宅会社では対応出来ませんが、規格を定めていない建築家による設計や工務店などであれば、建てることが出来ます。

変形地に変形の建物を建てるメリットは、建物の廻りに変形なあまりを作らないことにあります。

変形地の斜めにそって建物を建てると、建物の廻りには整形に近い土地が残ります。それであれば、駐車スペースに使えたりと有効活用が出来ます。

その分、建物の内部に変形な箇所が生まれますが、例えば収納を斜めの部屋にして、寝室などの個室は、家具を置きやすいように四角形にする、などの間取りでの工夫をすることが出来ます。

メリット② 採光通風などの自然環境が良いことが多い

三角形などの変形地は、道路が交差する角にあることが多いです。(旗竿地は、ほぼ四方が建物に囲まれているので、こちらには該当しません)

土地の二面が道路に接していると、より光や風が入りやすい環境になります。角地を探している人は、変形地も候補に入れると良いかもしれません。

メリット③ 土地の価格が整形地よりも安い

 整形地は建物を建てやすく、また建物の廻りも四角形などで使いやすいという分かりやすいメリットがあるため、購入を希望する人が多いです。そのため土地の価格はある程度の相場で保たれています。

一方、変形地は上に書いたようなデメリットがあるため、購入を躊躇する人も多く、それが土地の価格に反映されます。よって整形地の相場よりも安く購入できる可能性があります。

土地を安く購入できた分で、変形な建物を建てるための工事費に充当したり、家具や外構などを充実させることも出来るでしょう。

どのような建物が建つか検討して購入しよう

変形地には、整形地にはないデメリットがあることは確かです。しかしそのデメリットを土地の購入前に回避する、もしくはメリットに転換できることが分かれば、相場よりも安く土地を購入できるかもしれません。

そのためには、この土地にどのような建物が建つのか、詳細な検討を購入前に行うことが必要です。

土地のチラシなどを持って、さまざまな住宅会社や設計事務所に相談することをオススメします。

変形地に四角形のガタガタした間取りを提案する会社だったり、変形のままの建物を計画する会社もあるでしょう。

変形な土地を有効活用している計画はどれか、という視点で各社の提案を見比べて、信頼できる会社が見つかれば、変形地を購入する強い決め手になるはずです。

長沼アーキテクツでは、購入前の土地にどのような建物が建つか検討を行っています。ぜひご相談ください。

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