家づくりをスタートしても、何から考えれば良いか分かりにくいものです。そんな時は、近くの住宅展示場や現場見学会にとりあえず行ってみる人が多いかもしれません。
今回は、家づくりをスタートしたばかりの人が、住宅展示場や現場見学会に参加する際に、注意して見るポイントを紹介します。
思いつきで住宅展示場に行くリスク
住宅は手に取れる商品とは違います。試しに購入してサイズや雰囲気が違うので返品したり、購入前にまったく同じものを確かめることが難しいものです。
そのため、家づくりをスタートする人の多くは、インターネットや紙のカタログなどで情報収集しつつも、やはり住宅展示場や現場見学会で実物を見たくなるのです。
思いつきで住宅展示場に行くと、何が起こるでしょう。
住宅展示場には、ハウスメーカー各社がモデルハウスを建てて、自社の良さをアピールしています。そこにいる営業マンは、モデルハウスを一緒に回りながら、見に来た人の家に対する思いや事情をヒアリングして、次のステップに誘導するでしょう。
次のステップとは、土地から探す人には土地の候補を紹介したり、土地がすでにある人には仮で間取りを描いてみたりです。
もし家に対する考えがまとまっていない人が住宅展示場に行くと、モデルハウスの間取りや設備、営業マンの話が家づくりのベースになってしまう可能性があります。
営業マンもたくさんのお客さんと家づくりをした経験をもとにおススメしていると思います。ただ建てるみなさんが、自分の考えをまとめる前に、営業マンに言われるままに話を進めていくと、家づくりの終盤になってズレを感じるかもしれません。
住宅展示場に思いつきで行く最大のリスクは、自分たちが思っていない方向に家づくりが進んでしまうことでしょう。
住宅展示場で注意して見るべきポイント2つ
では住宅展示場では何に注意して見れば良いでしょうか。
展示場に建っているモデルハウスは、延べ床面積が60坪など、一般的な家の2倍の広さがあったりします。玄関はゆうに7,8人は同時に靴を履いたりできたり、LDKもパーティができるくらい広いです。
もちろんこのくらいの広さを建てようという人には参考になると思います。しかし例えば都内で家づくりをする場合には、この広さは現実的ではないでしょう。
注意して見るポイントの1つ目は、モデルハウスの広さを確かめることです。
例えば付いて回る営業マンに、モデルハウスの部屋の広さを聞いた上で、実際に建てる家の部屋の広さはどのくらいになるか、その場で示してもらうと、広さの比較ができます。
ポイントの2つ目は、設備や仕上げのグレードを確かめることです。
モデルハウスはハウスメーカーが最も力を入れている設備や仕上げが採用されています。省エネ性能の高い設備であったり、風合いの良い仕上げなどです。
これら性能や品質の高いものを採用するためには、コストがかかります。
モデルハウスには各社が一般的な住宅よりもコストをかけるので採用できますが、通常は全体予算の中で取捨選択されるはずです。これらについても、採用した場合のコストを確かめる必要があります。
現場見学会で注意して見るべきポイント2つ
住宅展示場のモデルハウスとは違い、実際に住む人がいる住宅の現場見学会は、参考になる部分が多くあります。住む人が家族との意見交換やコストバランスを検討した結果が、形になっているからです。
より実感の湧きやすい現場見学会では、何を見るべきでしょうか。
柱や梁が見える現場を見る構造見学会では、その仕組みを担当者に説明してもらいましょう。
ハウスメーカー各社により、構造への取り組み方が異なります。建物を固くすることで地震力に耐える構造や、制振や免震など地震力を逃す仕組みを持つ構造などです。
これらの仕組みの説明を受ける中で、コストとのバランスを見ながら、家族が安心できる構造を考える機会としましょう。
また建物が完成した状態で見る完成見学会では、そこでの暮らし方をイメージすると良いです。
家事の動線や、子供たちの過ごし方、収納量など、実際に住んで見たときをイメージすると、自分たちの家づくりの参考になるのではないでしょうか。
住宅展示場や現場見学会で家のイメージを家族と共有しよう
住宅展示場や現場見学会で見るポイントを書いてきました。
それぞれシチュエーションが違う中でも、自分たちの家づくりに参考にできるポイントがあります。実際に建つ住宅を見ることで、頭の中のイメージがより具体化されると思います。
休日に家族と住宅展示場や現場見学会に行き、そこにある建物を一緒に見ながら、家族が求める家のイメージを共有できると、その後の家づくりがスムーズになるのではないでしょうか。
長沼アーキテクツでは、家族の要望を分かりやすく整理できる独自のヒアリングシートをご用意しています。ぜひご相談ください。