30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory

ファイナンシャルプランナーで一級建築士であるお金と住宅の専門家が、30代に向けてお金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。

会社経営者が住宅ローンを借りるときの審査のポイント(フラット35や金融機関別)を解説

会社経営者が住宅ローンを借りようとしたとき、なかなか審査が通らず住宅ローンが借りられないケースもあります。

経営者個人と会社双方から審査をクリアする必要があったり、経営者特有の評価点など、知っておきたいポイントがいくつかあります。

この記事では、会社経営者が住宅ローンの審査に通るために押さえておきたいポイントを解説しています。

住宅資金を現金でまかなうか住宅ローンを借りるか

経営者が自宅を建てようと思い立ったときに、その費用を現金でまかなうか、住宅ローンなど融資を利用するかという選択肢があります。

しかし経営者は、万が一事業で資金不足などに陥ったときに、自らの資金を会社に入れてしのぐ時もあるかもしれません(経営者個人の資金を会社に入れることの是非は考える必要があります)。

万が一を想定すると、出来れば現金は手元に残しておきたいと考える経営者は多いのではないでしょうか。

選択肢は金融機関の住宅ローンとフラット35の2つ

経営者が融資を受けて自宅を建てることになったら、選択肢は大きく2つあります。これは会社員などと同じく、金融機関の住宅ローンとフラット35です。

金融機関の住宅ローンは、金融機関が借り入れ希望者個人と、土地や建物など物件の審査をして、融資するものです。各金融機関により、審査基準が異なります。

フラット35は、住宅金融支援機構が行う融資です(厳密に言えば、金融機関が融資した住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が買い取る仕組みです)。

各金融機関が窓口となり、実際には金融機関に提出した書類は住宅金融支援機構に送られて、機構による審査があります。ですので、どの金融機関経由でフラット35を申し込んでも、最終的には住宅金融支援機構に審査は一本化されます。

経営者が金融機関の住宅ローンを借りる方法

上にも書きましたが、住宅ローンの商品の内容や審査は、各金融機関により異なります。しかし会社員と異なり、経営者にさらなる資料の提出を求める姿勢は、どこの金融機関も変わらないと思います。

例えばある都市銀行は、経営者個人の確定申告書2年分(年末調整だけであれば源泉徴収票)に加えて、会社の決算書3期分の提出を求めています。

金融機関からすれば、いくら経営者個人の役員報酬が高くても、会社の事業が赤字続きであれば、事業の継続性が無いことから、経営者個人の報酬も下がる可能性がある、と見えます。

そうなればリスクの高い融資ということで、否決されてしまう可能性が高くなります。

具体的には各金融機関によりますが、一般的には決算3期すべて黒字であること、できれば売り上げが少しずつでも上がっていることが、求められるようです。

会社の決算が3期黒字で、事業の将来が明るいと評価されたとして、次には経営者個人の評価に移ります。

役員報酬以外の収入がない経営者であれば、源泉徴収票にある支払い金額(いわゆる額面金額)を元に審査をしていきます。

またその他の収入があり、確定申告をしている場合は、確定申告書の収入金額ではなく、所得金額の合計が、審査に使われます。もし経費が多くかかり所得金額が少なくなっている会社経営者であると、その分借りられる金額も少なくなってしまいます。

会社経営者がフラット35を借りる方法

もう1つの選択肢としては、フラット35を借りる方法です。

フラット35は住宅金融支援機構という公的機関が行っている融資であるため、職業や立場への制約がより少なくなっています。

最終的には住宅金融支援機構による審査をクリアーすれば融資される仕組みであるため、金融機関によっては会社の決算書を求めないケースもあります。

また経営者個人の収入の証明は、基本的には前年の収入を証明できる公的なものとなります。

会社の業績に合わせて経営者の役員報酬を上下させている場合にも、前年の収入証明だけがあれば良い点も、借りやすくなっています。

※金融機関によっては通常の住宅ローンと同様の資料の提出を求めているところもあります。詳細は各金融機関にご確認下さい。

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住宅ローン以外の借り入れがあると減額される

住宅ローンもフラット35も、融資可能額は収入金額をもとに算出します。ここで気をつけることは、その他の借り入れがあるかです。

会社員も同じですが、自動車や携帯電話をローンで買っていたり、カードローンの枠があるだけで、その他の借り入れがあるとみなされ、融資限度額からその分をマイナスされます。

また会社員と異なる点としては、経営者の場合、会社の事業融資に対して経営者が個人保証を付けているケースが多く見られます。

もし会社が融資を返済できない場合には、経営者個人に債務返済の責任があることになり、金融機関からするとその分の借り入れがあるとみなされる場合があります。

 経営者は会社の業績と個人の収入をリンクして審査される

経営者が自宅を建てるために、住宅ローンもしくはフラット35を借りる方法を見てきました。経営者は会社員に比べて、高い役員報酬を得ていることが多いですが、金融機関からすると会社の業績と個人の収入の両面から審査しています。

会社と経営者は一体のようなものとして見ているのです。会社の業績が一直線に右肩上がりであればよいのですが、そうでない場合には、経営者個人の自宅も建てにくくなってしまいます。

例えば上で紹介したフラット35は、誰にでも住宅を持てるように国が支援している制度です。このような制度をうまく使って、家族と一緒にすごし心休まる場として自宅を建てることで、より事業に邁進できる環境づくりをしてはいかがでしょうか。 

長沼アーキテクツでは、経営者の家づくりのサポートを、建築と資金計画の両面から行っています。ぜひご相談ください。

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