30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory

ファイナンシャルプランナーで一級建築士であるお金と住宅の専門家が、30代に向けてお金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。

お金と建築のプロが教える建築家住宅は高いのウソ

自分たちに合った家を建てるために、建築家との家づくりを検討する人にとって、そのハードルは高く感じるかもしれません。

建築家住宅を実際に行った人が周りにいないと、その進め方や値段が高いのではないかという不安を感じると思います。

今回は建築家住宅における工事費と設計料の仕組みを説明することで、なぜ高いと言われるのかを考えてみます。

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なぜ建築家住宅は高いと感じるのか

家の作り方には大きく2つの方法があります。1つは建売住宅やマンションなど、すでに出来たもの(完成予想図のような出来上がりが決まっているもの)を購入する方法。もう1つは一から間取りや仕上げを決めていく注文住宅を作る方法です。

建築家住宅は注文住宅の1つで、ハウスメーカーのような標準仕様も無いので、すべての選択肢から選び組み立てていきます。

そのため、すべてのコストが積み上がったものが、建物の工事費となり、それを設計図にまとめる対価として設計料が発生します。

建築家住宅が高く感じる原因として、工事費と設計料というコストを算出する仕組みにあると思います。

建築家住宅の工事費はすべてを積み上げる

建築家住宅ではない注文住宅の選択肢として、ハウスメーカーがあります。ハウスメーカーには各社独自の標準仕様があります。

標準仕様は、材料の品質とコストのバランスが良いものであったり、施工性が良いものなど、各社がこれまでの経験から厳選した工法や材料がラインナップされています。

そのため、例えばトイレであれば、便器や手洗い、壁紙や床のタイルなど、標準仕様の中で決めることができれば、トイレ1箇所の金額を早い段階で確定できます。

一方、建築家住宅にはそのような標準仕様はありません。そのため便器1つを取っても、数ある選択肢から決めていくことになります。

壁紙や床のタイル、タオル掛けなど、様々なものを1つずつ選んでいくので、建築家住宅の工事費を出すためには、細かな明細が必要になります。細かな金額を積み上げることで、やっと全体の工事費を出すことが出来ます。

建築家住宅にはボリュームディスカウントがない

ハウスメーカーは「便器ならばコレ」など限られた商品を標準仕様としているため、同じ商品を器具メーカーから大量に購入することになります。

そのため、ハウスメーカーから器具メーカーに「年間〜個を購入する予定なのでディスカウントしてほしい」という値段交渉が出来ます。そして定価から大幅な割引を受けて、建てる人にも安価な金額での提供を可能にしています。

一方、建築家住宅は究極のオーダーメイドですから、毎回建てる人に合った、異なった商品を選定しています。そのため、ハウスメーカーに見られるボリュームディスカウントは受けられないのです。

建築家住宅は打ち合わせ回数が多い

建築家住宅に限らず、ハウスメーカーとの家づくりでも、設計者との打ち合わせはあります。しかしその進め方は異なるようです。

建築家との打ち合わせは、どんな家がほしいかといった大枠から、少しずつ要望を整理して間取りに落とし込み、間取りが確定したら、仕上げや設備などより詳細な項目を決めていきます。

家を構成する要素は膨大にありますので、打ち合わせも自然と7-10回(もっと多い人もいます)になります。

一方、ハウスメーカーは会社によっては、標準は5回まででそれ以上は追加料金がかかる、などの仕組みのようです。これではなるべく規定通りの回数で収めようとする気持ちになりがちです。結果として、ハウスメーカーとの打ち合わせ回数は少なくなります。

建築家でもハウスメーカーでも、打ち合わせの回数により人件費がかかることは同じです。しかし建築家は多くの打ち合わせを重ねて、1から決めていくのに対して、ハウスメーカーは標準仕様をベースにすることで、少ない打ち合わせ回数で設計を完了しているのです。

建築家住宅の設計料は可視化される

ハウスメーカーは、工事費の見積書の中に1つの項目として設計料が記載されていることが多いため、工事費全体に目立たないようになっています。

しかし建築家の設計料は、建物の工事費とは別に請求されます。つまり建築家の設計料は、金額がはっきりと可視化されることにより、「高い」と認識されやすくなります。

提供されるサービスと適正な料金を比較して家づくりのパートナーを選ぼう

建築家住宅が高いと言われる原因となりそうなことについて書いてきました。建築家住宅を作るプロセスには決定する項目が多く、そのための準備や検討をする建築家の報酬がかかり、それを設計料という工事費からは独立した費用として請求されることにより、「高い」という認識につながりやすいことが分かりました。

単に費用が高いということではなく、より質の高い住宅をつくるためのサービスとして建築家による設計があります。

建てる家の材料や設備などの仕様だけでなく、それをつくるプロセスの質を濃いものにしたい。もしそのようにお考えであれば、サービスの質と適正な料金を見比べて、家づくりのパートナー選びをしてはいかがでしょうか。

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