30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory

ファイナンシャルプランナーで一級建築士であるお金と住宅の専門家が、30代に向けてお金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。

あえて教える建築家との家づくりの課題やデメリット

究極のオーダーメイド住宅といえる建築家住宅ですが、すべての人に最適な家づくりとは言えません。

住む人がマイホームに持つイメージや家族構成、資金計画など、まったく同じ境遇の家族はいないためです。

今回は、建築家である私があえて建築家住宅の課題を紹介していきます。

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課題① 住む人と建築家の相性が合うか

建築家は住む人から住まいへの要望を聞いて、それを形にしていきます。すべての要望を両立できるかは、敷地や資金など様々な条件が整う必要があります。

そんな住む人の要望を詰め込んだ住宅にも、どこか建築家自身の個性が反映されてしまいます。

課題の1つ目は、建築家の個性を住む人が受け入れられるか、つまり相性が合うかという点です。

例えば、その建築家が設計した過去の家を見て、いいなと感じるようであれば、その個性を理解することが出来るかもしれません。ただデザインのテイストを住む人に合わせて変化させていく建築家もいますので、その見極めは難しいです。

課題② 設計に時間がかかる

建築家に住宅を依頼すると、設計に半年から、場合によっては1年かかったなどと言われることがあります。

なぜ建築家の設計には時間がかかるのか。それは、間取りや仕上げに制限が無い分、あらゆる選択肢を選ぶことが出来るため、その選別に手間がかかるためです。

建築家は住む人に1つのことを提案する場合にも、複数の選択肢をリサーチして評価します。そしてもっとも良いと思われるものを図面として表現します。

ここまででも時間がかかるのですが、仮に住む人から別の案を求められた場合、改めてリサーチと評価の作業に立ち戻ります。この結果、設計に時間がかかっていくことになります。

課題③ 決断の連続を楽しめるか

建築家は打ち合わせの度に、住む人に〜を決めてほしいと言ってくるでしょう。ハウスメーカーとは違い、建築家には最初から決まっている標準仕様はありません。

よって建築家から提案された選択肢を採用するか、毎回決断していかなければなりません

この決断していくことが徐々に重荷になり、疲れてしまうと、建築家住宅を楽しめなくなってしまいます。

建築家は複数ある選択肢の中から最適と思うものを、住む人に提案しています。

その提案が毎回納得できるものであれば、採用する決断はスムーズになるでしょう。これが毎回ズレを感じてしまうと、次第に自信をもって決断できなくなってしまいます。

建築家と一緒に課題を解決しよう

建築家との家づくりの課題を3つ挙げましたが、どれも住む人と建築家が協力し合うことで解決できる課題ではないでしょうか。

建築家が過去に設計した家に一貫したデザインテイストがある場合は、そのテイストが自分の好みに合うかを確かめることが出来ます。

反対に家ごとにテイストが異なる場合、その建築家は住む人に合わせてデザインをしていくタイプかもしれません。そんな建築家には自分の好みを正直にぶつけてみると、良い提案をしてくれるでしょう。

建築家との相性とも関係しますが、信頼し合うことが出来れば、スムーズに決定していくことが出来、その結果設計の期間も短縮していきます。

また建築家も住む人への理解が進むにつれて、提案の精度が上がり、1回でより良い提案にたどり着くことが出来ます。

多くの決断をしていくことについては、建築家が例えば間取りという大枠を決めた上で徐々に細かな点を決めていく、そのため現在地はここ、というように全体の流れを説明することで、どこに向かって決めているのかを住む人が理解し楽しめるのではないでしょうか。

建築家との家づくりは、究極のオーダーメイド住宅であるために課題もあります。ただその課題を建築家と一緒に乗り越えて行くプロセスが、建築家住宅の醍醐味と言えるかもしれません。

長沼アーキテクツでは、ステップごとにお客様と課題を共有しながら、計画を進めていきます。ぜひご相談ください。

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