30代から考えるお金と住宅の学校|Houstory

ファイナンシャルプランナーで一級建築士であるお金と住宅の専門家が、30代に向けてお金や住宅に関する専門用語やノウハウ、お役立ち情報をお知らせするブログです。

建築家との家づくりで予算オーバーはなぜ起きるのか

家づくりを始めると、やりたいことが山のように出てきます。LDKは何畳以上ほしい、子供室は2つ、書斎もほしい、など。ただ要望と合わせて、予算も考えなければなりません。

高機能なものや物理的に広いものは、やはり高額です。すべての設計を終えて、いざ工事見積を取ってみたら、大幅な予算オーバーだった。

こうならないためには、どうすれば良いのでしょうか。

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要望を整理せずに詰め込みすぎている

建築家との最初の打ち合わせで、クライアントは部屋の広さや数、特別な仕様などの要望と、全体予算を建築家に伝えるでしょう。ここに最初の注意点があります。

建て主であるクライアントは、広さとそれにかかる金額の相場観は持っていないので、その時点で大きく要望と予算が食い違っていることがあります。

例えば「建物の予算は~万円だが、現在の住まいから比較して、~LDKの間取りがほしい」といった場合です。

また例えば「~ホテルのような浴室がいい」など具体的なイメージをお持ちの場合、設備などはちょっとした違いで金額が跳ね上がるものもあるので、予算オーバーとなる原因となります。

建築家は建物の専門家として、広さに対する相場観や、特別な仕様をした場合の金額などを把握しています。

プロフェッショナルとしての建築家であれば、要望を実現しようと努力しつつも、予算を見ながら、オーバーしそうな点については注意を、場合によっては中止をアドバイスをする必要があります。

しかし要望を実現しようとするあまり、建築家が要望を整理するサポートをせずに、要望のすべてをプランに詰め込もうとすると、大幅な予算オーバーとなったプランが出来てしまうのです。

予算オーバーを回避する注意点は2つ

予算オーバーを起こさないためには、何に注意すればよいでしょうか。出来ることは、大きく2つあります。

1つ目は、要望を整理する、もしくは要望に優先順位をつけておくことです。

一生に一度しかないかもしれない自宅の建設において、要望をあきらめていくことは辛いことです。一方で、現実的に予算という制約がある以上、何かしらの調整は必ず発生します。

そこで、ほしい部屋や設備などの要望を最初から諦める必要はないのですが、優先順位を付けておくのです。

床暖房は必ずほしい、収納は多くないと荷物が入らない、でも書斎はほしいけど収納のほうが優先度は高い、などです。

建て主のほうで、要望を整理し優先順位を付けておくだけで、いざ予算オーバーになりそうな時に、それを回避するための糸口になります。

2つ目は、予算の幅を明確にしておくことです。

私もクライアントから予算を伺う時に気をつけているのが、~万円というのは本当にこれ以上出せない限度なのか、あと~万円は出せる余地があるのかということです。

これは、最初から~万円以上は絶対に出せないという予算限度が建築家も分かれば、設計する過程で、~を付けることは予算からはオーバースペックになっているなどと、アドバイスしやすいのです。

要望と予算のバランスを取るのが建築家

希望が詰まった自宅の建設が、いざ工事見積の段階で予算オーバーが分かり、1つずつ要望を諦めていく作業は辛いものです。こうならないためにも、建物の専門家である建築家の知識をぜひ利用して頂きたいのです。

例えば、具合が悪くなって病院に行き、お医者さんに「~の治療法で処置して、薬は~を出して下さい」などと指示する人はいないでしょう。

「お腹の調子が悪い、喉が痛い」など、現在の症状を伝えて、処置の方法はお医者さんが考え提供するはずです。

建物も同じではないでしょうか。

依頼する時点での「~がほしい」という要望と合わせて、「予算の限度は~万円まで」という予算もお伝え頂ければ、要望と予算のバランスを取った提案を建築家がしてくれるはずです。

建築家によっては予算を管理することに疎い人もいます。

建築家との家づくりをスタートする際に、予算に対するスタンスを建築家に確認し、そのスタンスが合う建築家を探し依頼することが、予算オーバーを回避する方法かもしれません。

長沼アーキテクツは、一級建築士とファイナンシャルプランナー双方の資格を持つスタッフによる、予算を見据えた建築デザインが得意な会社です。ぜひご相談ください。

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